明けましておめでとうございます。
正月元旦を迎え、まずこの第一声で新しい年が始まります。時代の変化、価値観の多様化であろうか、正月を大事にするという意識が薄れてきているような気がします。
日蓮聖人は「正月の一日は日のはじめ、月の初め、としのはじめ、春のはじめ、これをもてなす人は月の西より東をさして満つが如く、日の東より西にわたりてあきらかなるが如く、徳もまさり人にも愛せられ候なり」(重須殿女房御返事)と述べられております。私たちは誰の言葉か知らないが古来より「1年の計は元旦にあり」聞き慣れてきました。今年1年の目標、計画、希望などを心に決め、「今年こそ……」と念じたものでした。日蓮聖人もまた、元旦を大事にもてなす人は功徳を得るとおっしゃっております。
私たち仏教徒にとって元旦をもてなすとは、まずお寺に詣でて健康に新年を迎えられたことに感謝し、御先祖の供養を勤めることにほかなりません。
皆様のご多幸をお祈りいたします。
平成29年元日
日蓮宗本山 池上 大坊 本行寺
住職 中野日演