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2022年01月01日
檀家の皆さまへ

《2022 新春のご挨拶》日蓮聖人が示す慈悲とは

日蓮が慈悲曠大(じひこうだい)ならば、南無妙法蓮華経は万年の外(はか)未来までもながるべし。

日本国の一切衆生の盲目を開ける功徳(くどく)あり。無間(むけん)地獄の道をふさぎぬ。

この功徳は伝教(でんきょう)天台にも越え竜樹・迦葉(かしょう)にもすぐれたり。

『報恩抄』

お釈迦様の教えを示すキーワードの一つに「慈悲」という言葉がある。元々「慈」と「悲」は別の語で、「慈」は深い親愛の心で、「悲」は同情・あわれみ・やさしさ・なさけを意味し、二つの語が合さり、一般には「慈悲」とはいつくしみ・他の人に対するあたたかい共感の心を言う。

ところが、日蓮聖人が示す慈悲とは単なる慈しみとかやさしさだけではないような感がある。冒頭に揚げた『報恩抄』の一節にあるように、日蓮聖人の慈悲が広大ならば、南無妙法蓮華経すなわちお題目がすべての人々を救い、未来永劫に弘まっていくであろうという。しかもその慈悲は周囲のことが目に入らず判断ができなくなっている日本国の人々の目を覚まさせてくれる功徳があると示されている。つまり、日蓮聖人の慈悲は人々を救済し、法華経を広めるためのものである。その慈悲は単にやさしさとかいつくしみだけでなく、時にはやさしさゆえに厳しく人々を諫(いさ)めることにもなる。

日頃私たちの日常においても、やさしさとは何か問われることがあるだろう。私たちが思い浮かべる「やさしさ」とは、温厚であり、親切であり、相手の立場に立って接する、平等であり、思いやりがあり、感謝の気持ちを忘れない等々がまず考えられることでしょう。また一方では悪いことは悪いと言えることも「やさしさ」もあることを忘れてはならないでしょう。

日蓮聖人の慈悲とはそんなやさしさと厳しさを兼ね備えたものである。人々を救済するという強い信念と使命を持ったお釈迦様の慈悲であり、法華経の慈悲であります。

令和4年 元日

日蓮宗本山 池上 大坊 本行寺
住職 中野日演

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